ジーンズ・リデザイン・プロジェクト
H&Mグループはデニムのデザインと生産工程を見直し、循環型社会に向けて一歩踏み出します。
エレン・マッカーサー財団は、ファッション企業がジーンズの生産方法を変えるため、廃棄物、汚染、有害な慣習の横行に取り組み、衣料品の耐久性、原料の健全性、再生可能性、トレーサビリティに対する最低限の要件を設定した新しい循環型経済ガイドラインを、去年発表しました。 H&Mグループをはじめ、世界中の大手ファッションブランドやメーカー、繊維工場が参加したことで「デニムをリデザインしよう」が目下の共通ビジョンで緊急課題となりました。
2020年に話を進めると、H&Mは画期的なこのプロジェクトに参加することから生まれた、注目のメンズウェア・デニムコレクションを発表します。 コレクションには3つのジーンズスタイル、ジャケット2種、オーバーシャツ、トートバッグ、バケットハットがあり、すべてデニム製で現代的なワークウェア風になっています。色はライトグレー、ウォッシュドブラック、ミッドブルー、ディープインディゴの展開。 一方「Weekday」では、ユニセックスなレギュラーフィットジーンズと、シンプルなリンスウォッシュのジャケットが注目を集めました。
H&MとWeekdayのジーンズ・リデザイン・プロジェクトは、自分たちのデニムの専門知識を尊重し、耐久性があり、時代に左右されず、修理が簡単で、経年変化が美しいものをデザインすることを目的としています。 どちらのコレクションもエレン・マッカーサー財団の提示したガイドラインを守り、時にはそれを超えることもありました。
「Weekdayの作品の生地は、20%が消費後廃棄物で構成されており、使用する素材をできるだけ少なくできないか、細部に至るまで考えました。 糸の寿命全体を考え、破れる可能性がある部分には太い糸を使い、その必要がない部分には細い糸を使いました。 そして糸は生物分解します。 このプロジェクトは本当に困難でしたが、勉強にもなりました。 循環型のデザインそのものが未来です。 デニムは私たちのコアカテゴリーの一つですから、そこから始めて最前線に立つのは、私たちにとって自然なことだと感じました」とWeekdayのデザイナー、ペール・アクゼンは語っています。
H&Mコレクションのデニム地はオーガニックコットンと、最高35%までのリサイクルコットン(消費後廃棄物由来)を混紡して作られています。 使用する染料は従来の物に比べ、廃水と消費エネルギーを大幅に減らせます。 デニムの循環性を実現するため、ポリエステルではなくテンセルの糸を使用し、あらゆる衣料がその寿命を迎えたとき、簡単にリサイクルできるようにしました。
H&Mグループはジーンズ・リデザイン・プロジェクトで、デニム製品のデザインと生産工程を積極的に見直し、私たちのすべてのプロセスを完全に循環させるという目標に向けて、さらに一歩踏み出しました。 またこれは、同じファミリー内のブランドや世界中の他のブランドが、この問題で積極的に協力して一緒に働けば、皆にメリットがあることを示しました。
「サステイナビリティと循環性は、デザイナーを巻き込んだパラメータとして見なければなりません。 いわば、新しい境界線と制限のセットです。 デザイナーであるということは、新しい機会を見つけ、ジーンズ制作の技術的な側面をより深くつなげることでもあります。 このプロジェクトは基本に立ち返り、それまで当たり前とされてきたことを、今度は新しい目を持って見直します。 このコレクションでは、よりサステイナブルな製品を作るために、新たに大きな一歩を踏み出せればと願っています」とH&Mのデザイナー、ジョン・ローマンは言っています。
最終的には、デザイン段階から、使用する素材、生産工程、最終的な製品をお客様にお届けするところまで、ジーンズ・リデザイン・プロジェクトで学んだことを大きな規模で活かすことを目指しています。 言い換えれば、これはH&Mグループのデニムのリデザインのほんの始まりに過ぎないのです。
H&MとWeekdayのジーンズ・リデザイン・プロジェクトは10月15日から、世界中の限定ストアとhm.comまたはweekday.comで発売されます。