2017年度のH&Mデザインアワードはリチャード・クィンが受賞

H&Mデザインアワード2017の優勝は、ドゥミ・クチュール(セミオーダー)に60年代のテキスタイルと倫理的思考を融合させ、さらにダークなひねりも効かせたリチャード・クィンに決まりました。 編集部が発表直後の彼を捉えました。

当初H&Mデザインアワード2017には、世界各国から40校500名以上が応募し、最終的に才能豊かな8名のファイナリストに絞られました。 かなり難しい決断でしたが、H&Mのクリエイティブアドバイザーで審査員のアン=ソフィ・ヨハンソンは昨夜ロンドンで、会場に詰め掛けた各国プレスに向け優勝者はリチャード・クィンだと発表しました。

「最高だよ」と発表直後のリチャードは言いました。「でも本当に驚いたのも事実だ、僕の作品はかなりドゥミ・クチュールだから。 いくつかとてもパワフルなアイテムもあって、スタイリングという意味からはちょっと距離があるかも知れないけど、同時にデイリーにも着られる。 完全に挑戦的ではないけど、主張のあるものにはなるんだ」

話題の作品の中には、Diorのニュールックのようなシルエットのフローラルのドレスに、きらめく白黒の千鳥格子を合わせたもの、ホイルプリントのセパレート、一面フーシャローズのワンピースなどがあります。 80年代の肩パッドや滑らかな黒のパテントを取り入れ、ダークでデカダンなコレクションになっています。 審査員の一人を一目で虜にしました。

「リチャードは本当に際立っていたと思うわ。 ショールームに入るなり、私はすぐに彼のスペースに引き付けられたの」とStyle.comのファッションディレクターでH&Mデザインアワードの審査員、ヤスミン・スウェルは言います。「彼に会ってビジョンとサステナビリティの要素を聞くと、彼は決して自分自身のことを語らないと気付いたの。常にチームのことを話すのよ。 最終的に、彼は本当に魅力的でウェアラブルな関連性のある作品を作り上げることが出来たわ。 トレンチコート、美しい刺繍のバッグと靴…才能があるわ。 私たちは彼の成功を目の当たりにするんじゃないかと本心で思うの」

ロンドンのサウスイースト出身のリチャードはセントラル・セント・マーチンを卒業、今回、賞を受賞したことで賞金5万ユーロと、 H&M で1年間の研修プログラム、受賞コレクションのキーアイテムをH&Mで商品化および販売する機会を得ました。 今年は審査員としてアン=ソフィ・ヨハンソンとヤスミン・スウェルの他にも、イムラン・アメド(Business of Fashion 創刊者でCEO兼編集長)、ペニル・タイスベック(Social Zooの創設者でクリエイティブディレクター)、ザニータ・ウィッティントン(Azalle と Zanita Studioのクリエイティブディレクター)、マルガレータ・ファン・デン・ボッシュ(H&Mクリエイティブアドバイザー)が参加しました。

すべての人に良いものではなくて、一人の人の大切なものになるべき。


ザニータ・ウィッティントン
 

審査員団がリチャードを2017年の優勝者に選んだ理由は、彼がクリエイティビティ、技術、倫理的思考すべてを兼ね備え、ブランドを作り上げる可能性があると思えたからです。 優勝の喜びをかみしめながら、リチャードはファッションに恋をした時のことを思い出していました。「『Vogue』や『Pop』のような雑誌を買い始めた14か15の頃、ファッションに夢中になったけど、 ずっとファッションのイメージは大好きだった。 ティム・ウォーカーが常に僕のお気に入りで、彼のストーリー性には本当に引き付けられる」

H&Mデザインアワード優勝後、最初にすることは?
「家族に電話する!」

審査員に見せたコレクションについて話してください。
「花や布張りといった60年代の伝統的なイメージがすべて。それにヒネリを加えたんだ、ちょっとダークな感じに。 でもその文脈の延長線上で服を創作すると、市販で着られるものができる」

審査員団はあなたの「倫理的思考」を評価しています。 仕事でどのように具体化しましたか?
「僕の卒業コレクションはステラ・マッカートニーから資金援助をしてもらって、それを通じて話し合いに行ったりして仕事についての倫理観を学んだ。 ファッション界がもたらすダメージに関しては、本当に目を開かされた。 だから僕のコレクション全部を倫理的に作ったんだ。 生地は、すべてロンドンでプリントして二酸化炭素排出量をカットした。 パテントのアイテムは全部、本革じゃない。調合したものに服を浸して同じ効果を出したんだ」

今後も心に残る審査員のアドバイスや名言は?
「審査員団に会うことは素晴らしい経験で、ビジネスとしてのファッションに目を開かされたんだ、特にイムランとの話は。 でも審査員たちは、ブランドの進むべき方向は、あくまで美しさを追い求め、妥協せず、人が着たいと思う知的な服を創り出すことだと再認識させてくれた。これまでそうしてきたと思っているけど、これからも推し進めていきたい」

次にやることは?
「プリントのスタジオを開く予定、僕はレディースウェアのデザイナーと同時にテキスタイルのデザイナーだから。 たとえば、手ごろな価格で倫理的に製造されるプリントとテキスタイルを、若いデザイナーたちに提供する。 来年は次のコレクションも披露したいと思っているよ!」

ファッションのプロに聞く、今、ファッションデザイナーとして成功する方法
「独自の視点を持っているけれども同時に関連性があって、市場を理解すること。 今、何が動いているのか何が求められているかを知ること。ある程度時代精神の感覚を持つこと」– ヤスミン・スウェル

「不屈の精神と、自分の居場所、特定分野を見つけること。 すべての人に良いものではなくて、一人の人の大切なものになるべき」– ザニータ・ウィッティントン

「まず、強い個性を持ってそれに忠実でいること。 そして、次にそれを売り込む方法。 時間を掛けて、自分のブランドとのコミュニケーション方法を理解すること」– ペニル・タイスベック

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