H&Mのサプライチェーンにおける労働条件 | H&M
労働条件
多くのファッションブランドと同様に、H&Mはアパレル工場を所有していません。しかし、私たちはサプライチェーンで働くすべての人が次のような環境で働けるよう取り組んでいます:
健康と安全が守られ、安心して働けること。
問題がある場合は声を上げ、自らの職場環境を改善できること。
生活に十分な収入を得られ、尊厳と公平性のある仕事ができること。
それでは、どうすれば実現できるでしょうか?
H&Mの協力サプライヤーは、「サステナビリティ・コミットメント」への署名が必須です。これは、人や環境への影響、協働、透明性に関する一連の要件を定めたものです。これは交渉不可能です。
H&Mグループは、世界中の生産拠点にサステナビリティ専門スタッフを配置し、サプライヤーが協定を遵守していることを確認するため、定期的な訪問と監査を行っています。
私たちはサプライヤーと協力し、従業員の能力を高めるための工場内研修プログラムや、賃金管理システムの改善にも取り組んでいます。これらのシステムにより、スキルや業績に基づいた透明性のある賃金設定が可能になります。2024年には、Tier 1のサプライヤーの44%にあたる450以上の工場が賃金管理システムプログラムに参加しました。
また、労働組合、NGO、労働者と連携しながら、苦情処理メカニズムや問題解決へのアクセスの改善にも取り組んでいます。これにより、従業員が安心して声を上げ、経営側と協力して職場の課題を解決できる環境を整えています。2024年には、当社のサプライヤー工場で働く約100万人の労働者を代表する形で、16万4,000人以上から労働環境についての声を直接聞くことができました。その結果、調査対象の95%の労働者以上が苦情の申し立て方法を理解しており、必要に応じて既存のチャネルを利用する意向があることが分かりました。また、対象工場で受け付けた苦情の50%以上が24時間以内に解決されたことも確認できました。同時に、国ごとの違いや、特に支援が必要な人々の特定も行うことができました。こうした結果をもとに、各国ごとに苦情処理体制の強化を進めており、工場からのデータを毎月収集しながら、進捗状況を継続的に追跡しています。
H&Mグループは、世界的なアパレルブランドとIndustriALL Global Unionとの間の協定である「Action Collaboration Transformation(ACT)」の一員です。私たちは、繊維・衣料品のサプライチェーンにおける労働者の生活賃金の実現を、団体交渉を通じて目指しています。サプライヤーに同じ基準を求めることで、より強力な声として変化を促すことができます。2025年には、H&MグループがACTプロセスを通じて支援した3つの新たな団体協約がカンボジアで締結され、賃金の引き上げと労働環境の改善が実現しました。また、同年に、H&Mグループ、IndustriALL Global Union、IF Metallが、当社のグローバルサプライチェーン全体で労働者の権利と社会的対話を強化するための先駆的な取り組みである「Global Framework Agreement (GFA)」の10周年を祝いました。
